プログラミング未経験人が「Claude Code」を使い始めるための超入門

ターミナル?コーディングアシスト?そもそも何ができるのか

生成AIといえば、ChatGPTやClaudeの画面に質問を入力し、文章を作ってもらう使い方を思い浮かべる人が多いと思います。

私自身も、これまでAIは「質問に答えてもらうもの」「文章を考えてもらうもの」という認識でした。

ところが最近、よく目にするようになったのが、次のような言葉です。

  • ターミナル型AI
  • CLI
  • コーディングアシスタント
  • AIエージェント
  • Claude Code
  • GitHub
  • コマンドライン

プログラミングに縁がなかった人にとっては、何の話をしているのか、ほとんど分かりません。

Claude Codeも名前に「Code」と付いているため、最初はプログラマー専用の道具に見えます。

しかし、調べてみると、単にプログラムを書いてもらうだけのAIではありません。

Claude Codeは、指定したフォルダの中にあるファイルを読み、作業内容を考え、ファイルを編集し、必要に応じてパソコン上のコマンドを実行できる「作業型のAI」です。公式には、コードベースを読み取り、ファイルを編集し、コマンドを実行して目標を達成する「agentic coding tool」と説明されています。

この記事では、プログラミング未経験者の立場から、Claude Codeがどのような道具なのか、公務や一般的な事務作業にどう応用できるのかを整理します。


1.最初に知っておきたい用語

ターミナルとは

ターミナルとは、文字を入力してパソコンを操作するための画面です。

Windowsでは、主に次のものがあります。

  • PowerShell
  • コマンドプロンプト
  • Windows Terminal

黒や青の画面に文字が並んでいるため、いかにも専門家向けに見えます。

しかし、ターミナルはプログラミングそのものではありません。

例えば、普段はマウスでフォルダを開いているところを、ターミナルでは次のような文字で操作します。

cd C:\AI_Practice

これは、「CドライブのAI_Practiceフォルダに移動してください」という意味です。

つまり、ターミナルはパソコンへの指示を文字で入力するための窓口です。

CLIとは

CLIは「Command Line Interface」の略です。

簡単にいえば、ボタンやメニューをクリックする代わりに、文字のコマンドでソフトを操作する方式です。

Claude Codeをターミナルで使う場合は、次のように入力して起動します。

claude

ただし、Claude Codeはターミナルだけでなく、VS Code、デスクトップアプリ、ブラウザなどからも利用できます。デスクトップアプリには画面上で変更内容を確認できる機能があり、ターミナルを使わずに始める方法も用意されています。

コーディングアシスタントとは

コーディングアシスタントとは、プログラムの作成や修正を手伝うAIです。

従来のコーディングアシスタントは、入力中のプログラムの続きを提案する使い方が中心でした。

一方、Claude CodeのようなAIエージェントは、次のような一連の作業を行えます。

  1. フォルダ内のファイルを調べる
  2. 現在の構成を理解する
  3. 作業方法を考える
  4. 複数のファイルを編集する
  5. コマンドを実行する
  6. 結果を確認して修正する

単に「コードの続きを書くAI」ではなく、目的を伝えると、必要な作業を組み立てて実行するところが特徴です。

プログラミングとは

プログラミングとは、コンピューターに行わせたい処理を、一定のルールに沿って記述することです。

例えば、次のような処理もプログラミングに含まれます。

  • CSVファイルを読み込んで集計する
  • 大量のファイル名を一括で変更する
  • 条件に該当するデータだけを抽出する
  • 入力フォームを備えた簡単なツールを作る
  • ホームページのページを作る

Claude Codeを使えば、利用者自身がプログラムの文法をすべて覚えていなくても、「何を実現したいか」を日本語で伝え、AIと相談しながらプログラムを作れます。

ただし、AIが作ったものが必ず正しいとは限りません。実行結果の確認や、重要な処理に対する人間のチェックは必要です。


2.普通のチャットAIと何が違うのか

一般的なチャットAIは、質問すると文章や回答を返してくれます。

例えば、次のような使い方です。

イベント開催要領の構成案を考えてください。

これに対してClaude Codeは、選択したフォルダの中を調べながら作業できます。

例えば、フォルダ内に過去3年分の開催要領が入っていれば、次のように依頼できます。

このフォルダ内にある過去の開催要領を確認し、共通する項目と年度ごとの変更点を整理してください。
元のファイルは変更せず、結果をoutputフォルダに保存してください。

Claude Codeは、ファイルを調査し、必要な処理を考え、結果を新しいファイルとして作成できます。

違いを一言で表すと、次のようになります。

チャットAIは「答えるAI」、Claude Codeは「パソコン上で作業するAI」です。

ただし、Claude Codeの中心的な用途は、現在のところプログラムやテキストファイルを扱う開発作業です。WordやExcelを人間のように画面操作するソフトではありません。

Excelデータを処理する場合は、CSVに変換したり、Pythonなどのプログラムを作成したりして処理することになります。


3.公務や一般事務で考えられる活用例

Claude Codeはプログラマー向けに開発された道具ですが、その仕組みは一般的な業務にも応用できます。

公開データの整理

国や自治体が公開しているCSVデータを読み込み、必要な地域や年度だけを抽出します。

例えば、次のような処理が考えられます。

  • 人口データを年度別に整理する
  • 産業分類別の事業所数を集計する
  • 複数年度のデータを結合する
  • グラフ作成用の表に整える
  • 欠損値や表記の揺れを確認する

複数資料の比較

公開されている要綱、ガイドライン、計画書などを同じフォルダに保存し、違いを整理します。

例えば、次のような指示ができます。

5自治体の補助金交付要綱を比較し、対象者、補助対象経費、補助率、上限額、申請時期を一覧にしてください。

定型作業の自動化

毎回同じ手順で行っている作業を、プログラムとして再利用できる可能性があります。

  • ファイル名の一括変更
  • フォルダの自動作成
  • CSVの形式統一
  • 文章から特定項目を抽出
  • 定型的なチェックリストの作成
  • Web掲載用の文章への変換

簡単な業務ツールの試作

本格的なシステム開発を始める前に、簡単な試作品を作ることもできます。

  • 申請要件の確認ツール
  • 補助金額の試算ツール
  • イベント参加者の集計ツール
  • 企業情報の検索画面
  • アンケート結果の集計画面
  • よくある質問を検索するページ

「こういうものがあれば便利」というアイデアを、実際に操作できる形にしやすくなる点は、大きな可能性があります。


4.公務で利用する場合の重要な注意点

便利だからといって、すぐに職場の資料を読み込ませてよいわけではありません。

自治体や企業で利用する場合は、所属組織の情報セキュリティポリシー、生成AI利用ガイドライン、個人情報保護に関する規程を確認する必要があります。

特に、承認がない段階では、次の情報を扱わないようにします。

  • 住民の個人情報
  • 企業から提供された非公開情報
  • 契約や入札に関する非公開情報
  • 職員の人事情報
  • アカウントやパスワード
  • 公表前の政策情報
  • 庁内限定の文書
  • 秘密保持義務のある情報

Claude Codeには、ファイル編集やコマンド実行について許可を求める仕組みや、ネットワークアクセスに対する承認機能があります。一方で、AIに与えた権限や、処理するファイルを管理する責任は利用者側にもあります。

製品上のセキュリティ機能があることと、所属組織で利用が認められていることは別問題です。

公務で試す場合は、まず次のような情報から始めるのが安全です。

  • すでに公開されている統計データ
  • 国や自治体の公開資料
  • 自分で作成した架空データ
  • 個人情報を含まないサンプル文書
  • 公開済みのホームページ原稿

5.初心者はデスクトップとターミナルのどちらから始めるべきか

Claude Codeには複数の利用方法があります。

操作の分かりやすさを優先する場合

Claude Codeのデスクトップアプリを使用します。

デスクトップアプリでは、フォルダの選択、ファイルの確認、変更前後の比較などを画面上で行えます。ターミナル操作に抵抗がある人は、こちらから始める方法があります。

仕組みから学びたい場合

PowerShellなどのターミナルからClaude Codeを使用します。

最初は難しく見えますが、基本的に必要な操作はそれほど多くありません。

  • フォルダを開く
  • Claude Codeを起動する
  • 日本語で作業を依頼する
  • AIからの確認に回答する
  • 結果を確認する

ターミナルを使う目的は、難しいコマンドを暗記することではありません。

AIがパソコン上で何をしているのかを、少しずつ理解することが目的です。


6.WindowsでClaude Codeを始める基本手順

手順1 練習用フォルダを作る

最初から仕事の重要なフォルダを使ってはいけません。

例えば、次のフォルダを作ります。

C:\AI_Practice

その中に、架空の文章や公開資料などを入れます。

手順2 PowerShellを開く

Windowsのスタートメニューで「PowerShell」と検索して起動します。

画面に次のような表示が出れば、PowerShellです。

PS C:\Users\ユーザー名>

手順3 Claude Codeをインストールする

公式ドキュメントでは、Windows PowerShellから次のコマンドでインストールする方法が案内されています。

irm https://claude.ai/install.ps1 | iex

別の方法として、WinGetを利用することもできます。

winget install Anthropic.ClaudeCode

WindowsではGit for Windowsの導入も推奨されています。インストール方法や必要な契約プランは変更される可能性があるため、実際の導入時には公式のクイックスタートを確認してください。

職場のパソコンでは、組織の許可なくソフトをインストールしてはいけません。最初は個人所有のパソコンと練習用ファイルで試します。

手順4 練習用フォルダへ移動する

PowerShellに次のように入力します。

cd C:\AI_Practice

手順5 Claude Codeを起動する

claude

初回はログインを求められます。

ログイン後、日本語でそのまま作業を依頼できます。


7.最初に試す安全な練習

最初からファイルを編集させるのではなく、「読むだけ」の作業から始めます。

最初の指示

このフォルダ内にあるファイルを確認してください。

まだファイルは変更しないでください。
最初に、ファイルの一覧と、それぞれに何が書かれているかを説明してください。

次の指示

これらのファイルを整理するとしたら、どのような方法が考えられますか。

まだ変更は行わず、作業計画だけを提示してください。

出力ファイルを作る指示

元のファイルは変更しないでください。

作業結果は新しくoutputフォルダを作り、その中に保存してください。
実行する前に、作成するファイルと変更内容を説明してください。

このように、作業を段階に分けて指示します。

初心者が守るべき基本手順は、次の5段階です。

  1. 最初は読ませるだけにする
  2. 作業計画を出してもらう
  3. 変更するファイルを確認する
  4. 元ファイルを残して別フォルダに出力する
  5. 結果を人間が確認する

Claude Codeを安全に使ううえでは、「何でも自由にやってください」と依頼するより、対象範囲と完了条件を具体的に伝えることが重要です。公式のベストプラクティスでも、AIが作業できる環境を整え、明確な依頼と確認可能な結果を与えることが重視されています。


8.初心者向けの依頼文テンプレート

Claude Codeへの依頼は、次の順番で書くと伝わりやすくなります。

目的

何を実現したいのか。

対象

どのファイルやフォルダを扱うのか。

条件

変更してよい範囲、使用する形式、除外するもの。

出力

どのような形で結果を作るのか。

確認方法

どのような状態になれば完了なのか。

例えば、次のように依頼します。

目的:
公開されている人口統計を年度別に比較したいです。

対象:
dataフォルダ内のCSVファイルを使用してください。

条件:
元のCSVファイルは変更しないでください。
市町村名の表記揺れがある場合は、勝手に統一せず一覧で報告してください。

出力:
outputフォルダに、集計後のCSVと作業内容を説明したMarkdownファイルを作成してください。

確認:
年度別・市町村別の人口が一覧になっていることを確認してください。

最初に作業計画を提示し、私の確認後に実行してください。

この形式は、Claude Codeだけでなく、通常の生成AIに依頼するときにも応用できます。


9.プログラミング未経験者の学習ロードマップ

最初から高度なシステム開発を目指す必要はありません。

第1段階 ファイルを読んでもらう

  • フォルダ構成の説明
  • 文書の要約
  • 複数資料の比較
  • ファイルの分類案

第2段階 ファイルを整理してもらう

  • ファイル名の一括変更
  • テキスト形式の統一
  • CSVの整形
  • フォルダ分け

第3段階 簡単なプログラムを作る

  • CSV集計
  • 重複データの確認
  • 日付や名称の形式統一
  • 自動チェックツール

第4段階 画面のあるツールを作る

  • 入力フォーム
  • 検索画面
  • 試算ツール
  • 簡単なWebページ

第5段階 繰り返し作業を仕組み化する

Claude Codeでは、CLAUDE.mdというファイルに作業上のルールを記載し、毎回共通して守らせることができます。

さらに、Skills、Hooks、MCPなどを使うことで、定型作業のパッケージ化や外部サービスとの接続も可能です。これらは便利ですが、最初から覚える必要はありません。

まずは、小さなフォルダの中で、AIがファイルを読み、計画を立て、結果を作る流れを体験することが重要です。


10.このブログで目指すこと

このブログでは、プログラミングの専門家が高度なテクニックを解説するのではなく、プログラミングに縁のなかった人間が、実際にClaude Codeを使いながら学んでいきます。

分からない用語は、その都度調べます。

失敗した操作も記録します。

AIが作ったものが動かなかった場合は、どこに問題があったのかを確認します。

そして、最終的には次のようなことを目指します。

  • 日常的な事務作業を少し楽にする
  • 大量のデータを効率的に整理する
  • アイデアを簡単な試作品にする
  • 業務改善の選択肢を増やす
  • AIに任せてよい仕事と、人間が判断すべき仕事を理解する

Claude Codeを使う目的は、プログラマーになることだけではありません。

コンピューターにできる仕事の範囲を知り、自分の仕事をどのように組み替えられるのかを考えることです。

分からないところから始めるからこそ、同じように「興味はあるが、何から始めればよいか分からない」という人に伝えられることがあります。

まずは、練習用のフォルダを一つ作り、その中身をClaude Codeに説明してもらうところから始めます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました